株式会社ミヨシキャスティング

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日本を支えるものづくり”鋳物”

ミヨシキャスティングの国安です。ミヨシキャスティングでは、産業機械やポンプ部品の鋳物製造がメインの会社です。鋳物製造以外には、機械加工と建築業の部門も持っています。鋳物製造と言っても、ちょっと分からない人が多いと思います。
皆さん突然ですが、マンホールってどうやって作っていると思いますか?マンホールは金属で出来ていますが、丸くて少し厚みがあって表面は何やら色々な模様な文字などが入っていますよね。実はマンホールは鋳物で出来ているんですよ。

 

金属類は、金属ごとに、ある一定温度まで熱していくと溶けて液体になることは学校の理科などでみんな知っていますよね?この溶かした金属を型に流し込み冷えて固まった製品、これが鋳物です。ちなみに、鋳物を作ることを鋳造とも言ったりします。つまりマンホールは、マンホールの型に金属を流し込んで出来たものだったんですね。鋳物は金属加工でもとてもポピュラーなものなので、あらゆる所に使われていることが多いのですが、マンホール以外で分かりやすい所で言えばエンジンの部品は鋳物で作られていますね。

日本を支える”鋳物”の今

鋳物について少し専門的な話をしますね。うちの鋳物は1キロ未満から3トン程度まで、小ロットの生産に対応しています。
当社では、一般的な木型による鋳造方法の他にも、発泡スチロールによる鋳造方法(フルモードル鋳造 )にも対応しています。 多品種における施策段階でも鋳物施策を行っておりますが、3トンもいけるので大型の1点ものであっても製造対応していますね。今の主力加工としては、水中ポンプの部品製作が多いですね。先にお話した通り、鋳物は型に金属を流し込んで作って行くため、金属の流し込みよりも前にまずは型を作らなければならないのですが、水中ポンプを構成する部品は結構手間がかかるのです。水中に入れて稼働させなければならず精度の高さも要求されるなど、日本のものづくりらしい課題が多いですね。競合他社は比較的多いのですが、求められるクオリティも高いのが水中ポンプの部品製作などです。
当社は鳥取県米子市にも工場を構えており、米子工場は大物(3トン)に特化させており、水中ポンプの部品製作を行っております。ちなみに東京2020オリンピック・パラリンピックのカヌー・スラローム競技会場に、当社の部品が使われている水中ポンプが入っているんですよ。

徳島で2社しかない鋳物屋としての誇り

この仕事に就こうと思った理由と言われると実感ないですね。今、僕は、当社の3代目になりますから、自然と「あぁ、僕はここを継ぐのかな」という気持ちは持っていましたね。私が子どもの頃は自宅の隣に工場がありましたので、なんとなく、自分もやるようなイメージや想いを持っていた記憶がありますね。そして北九州の鋳物屋さんに入り修行をしてきて、今の工場が稼働する1年前だったでしょうか。この工場が移転してくる時に帰ってきました。帰ってきてから仕事を進めていく中で苦労したことも多くあります。元々、徳島県全体でみると10社程度、鋳物屋というのはあったはずなのですが気がついたら2社しかなくなってしまった。

その1社が当社ですからね、頑張らねばという気持ちですよ。ただ、明石大橋が出来て徳島と関西の距離が一気に縮んだでしょう?あれは当社にとってインパクトが大きくて取引先が変わっていきました。大手さんとの付き合いが格段に増えたんです。そういう意味では、明石大橋と瀬戸大橋へのアクセスが良い東みよし町の交通アクセスはかなり良いですよね。

地元製造業が考える新しいチャレンジ

そんな中で、今一番感じているのは次の世代を一緒に考えていけることが出来ないということでしょうかね。この前、合同就職説明会があり参加させて頂いたのですが実際は興味を持ってくれる人が少ないのか、なかなか苦戦しているところなんです。今、うちは幹部たちが50代で次が30代となってしまうため40代がいないという現状があり、なかなか新しい風を入れることが出来ていない現状があります。
これは、きっと地域性ももしかしたらあるのかもしれないけど、僕らのような仕事は製造業のど真ん中でも最終製品でない所もあるから、知名度が低い部分があるのかなぁと思っていますね。なので、どういう風にして知ってもらうか、たぶん製造業としての知名度や認知度を上げていく必要もあるかもと感じつつ頭を悩ませている日々ですね。
例えば、今まで当社では工場の見学や体験って考えたことが無かったんですよね。あっても取引先が製造のキャパシティを確認しにくるといった感じで仕事と直結した視察であることが多い。

みんなに鋳物のことを知ってもらおう!ということで見学や体験の取り組みなどは考えたことが無かった。でも、もしかしたら必要な取り組みなんじゃないか。と段々と思ってくるようになっています。こう言ったことを話せるだけでもとても有難いなと思っています。

ものづくりを続けるということ

今後、製造業は厳しくなっていくのかもしれませんが、全てがゼロになっていくということはないと私は考えています。当社で言えば鋳物の業界が無くなることはない、ということですね。この業界を少しでも牽引できるように、まずは、ミヨシキャスティングがどんなことが出来るのか。そう言ったことを皆さんにアピールしていきたいと考えています。鋳物と言うと私たちは当たり前にしている立場ですから、外側から見た時の感覚・感情など、もう分からない部分があると思います。外の目からみて我々が気づかない所でどのようにしていったらよいかなどの提案をドシドシ聞いていきたいなと思っています。
実は、将来的な話になるとは思いますが工場自体を自動化していき従業員の負担を減らしていきたいなとも思っています。そういった情報交換も積極的にしていきたいですね。また、当社は中国を始め海外からも材料を仕入しています。今、すごく物が良くなってきているんですね。 また現地の関連工場などとも接続していき当社がハブとなったネットワークを構築したいとも考えています。