富士インパルス株式会社

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モノを「包装する」ということ

富士インパルスの細田です。富士インパルスはシーラーを製造する会社です。皆さん、シーラーという機械を知っていますか?あまり馴染みが無いかもしれませんね。そうですね・・・ポテトチップスをパウチする機械と言えばイメージが沸きますか?シーラーとは簡単に言うと包装をする機械のことです。そのシーラーを製造しているメーカーが私たち富士インパルスです。世の中には様々な包装をしている商品が溢れていますよね。一見「包装する」ということは、どれも同じに見えますが実は、それぞれに細かいニーズが存在しているのです。

例えば、医療現場で使用されるシーラーの場合、医療器具の取り扱いは、とても細かく管理する必要があります。そこでシーラーにパスワードを設定して特定の看護師さんしかシーラーを使用できないようにするというカスタマイズを行うのです。基本的には50種類程度の商品を持っていますが、それぞれのニーズに応じてカスタマイズを行いながら現在では400パターン程度のカスタマイズに対応しています。実は、富士インパルスはシーラーでは市場の半分以上を担うようになりました。

東みよし町との出会い

大阪に本社がありますが30年ほど前に東みよし町さんで工場を構えました。私は地元出身者ですが、当社がこの町に企業進出をする時にご縁があり採用をされたことがきっかけです。当時、当社は大阪本社が手狭だったこともあり、工場を新しく建てる必要性に迫られている状況でした。そんな時に複数個所で候補地があがっていたのですが、そのうちの一つが東みよし町(旧三好町)さんだったのです。とても企業誘致に力を入れていらっしゃることも進出をするきっかけだったと経営陣から聞きました。

現状に甘んじることなく高みを目指して

今は工場長を務めさせて頂いています。工場長としての最初の仕事は三好工場自体の建物を作り上げていく仕事でした。私は工場長になる前から常に「自分がもし社長だったら、どのような会社にしたいのか」という考えで仕事をしていましたが、当時の現場では「大阪本社がるから大丈夫」という感覚で仕事をしていた状況でした。その状況をなんとかしていきたくて手を上げたことがきっかけで工場長を務めることになったのです。工場長なる前も、そしてなった後にも様々な苦労がありました。

例えば仕事をオープンなものとして風通しを良くするためにISO規格の認定取得を目指しました。当社は、こういう業界ですから、男性が多い職場です。そこで「一緒に変えていこうよ」を合言葉に仕事をオープンにしていくことで少しずつ透明性を持たせるための活動を行いました。また、様々な意見を大阪本社へ伝えることもしました。

出入り禁止を言い渡されても諦めることなく

意見を言うという話で、とても思い出される話があります。当時の私は若かったのでしょうね。自分なりに改革のためのプレゼン資料を作り大阪本社へ向かったことがありました。そしてプレゼンをした所、社長から「出ていけ!」と。なんと大阪本社を出入り禁止となってしまったのです。
今思えば、当時の私は富士インパルスのシール機、それを通じたお客様の気持ちを考えられていなかったことが原因だったなぁと思えます。 しかし、当時の私には、何が悪かったのか分からなくて。ただただ自分の不甲斐なさに「クソッ」と思う日々が続き、当時改革という言葉を頻繁に使っていた小泉純一郎元総理を見る度に、頑張ろう!と思っていた記憶があります。出入り禁止を言い渡されてから1年半くらい経過した時、 自分なりに業務をしていた時に社長から「細田君、君は変わったね。会議に出てくるか」と言われ、とっても嬉しかった記憶があります。 自分が自問自答し少しずつでも積み上げていったことが間違っていなかった、認めてもらえたと感じられた瞬間でした。

働くことをカタチにするためのチャレンジ

私は、工場のみんなが大好きです。そして大阪本社の人も大好きです。大好きだからこそ、工場長であることを辞めたいと感じたことはありません。今でも当時、大阪本社を出入り禁止が解禁され、そのプレゼンの資料を見ながら当時の私への未熟さを思い出して励みにしているのです。そんな三好工場は段々と機械の種類も増えてきて、今では工業高校や高専などの学校からの新卒の受け入れの採用もしています。しかし「働くこと」で考えたりすることが、とっても増えてきたなと感じています。

私たち製造業は作業をやって終わりでなく、日々が地道な改善の積み重ねの部分が多いにあると私は考えていますが、その良さを伝えきれていないな・・・と思って日々どうしたら良いのだろうと考えています。この「働くこと」に答えはないと思いますが、製造業・ものづくりで「働くこと」って一体なんだろうって一緒に考えていける、そんな人とご一緒出来たらなと思うんですよね。実は、ここ最近「働くこと」の一つとして、一部のスタッフさんと一緒に在宅勤務に取り組んでいます。このスタッフさんは子育てと仕事の両立で悩んでいると相談を受けまして。私も子育てはしていましたが、今の子育て世代・若い世代と話をしていくなかで、在宅勤務にチャレンジする必要性を感じ、それなら在宅勤務をやってみよう!という話から始まったことがきっかけです。実際に取り組んでみると苦労も多いのですが「働くこと」を考えていくことをカタチにすることが、自分たちを新しくブラッシュアップすることに繋がっていくと考えています。

ものづくりを通じて

私はものづくりが衰退してしまうと寂しいと感じるのですが、この気持ちはどこから来るのだろうと考えた時に「人の役に立てる」では無いかと感じています。勇気を出して「これをどうぞ!」と言った時に。長く使っているお客様からと出会った時。「あ!役に立っている」と思える瞬間が仕事全ての原動力に繋がっているかなと私は思っています。当社としてということで無く「人の役に立てる」という考え自体がどう映るのか。今の子育て世代や若い世代にどう映っているのか。そう言った声を直接聞くことで、これからも「ものづくり」との付き合いを続けていければと考えています。