連携ビジネスインタビューvol.1【一般社団法人日本ハラール認定推進機構様×合同会社法市の干し芋様】

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本プロジェクトでは、東みよし町へのサテライトオフィス進出をしている(検討中含む)都市部企業と、東みよし町の企業や事業者とが連携し、自社や地域が抱える課題の解決に取り組むパートナーとして実施していく連携ビジネスの創出を積極的に支援しています。

お互いの強みとなる技術やノウハウを活かし、新たな販路拡大や新商品の開発など、地域が異なる者同士だからこそ生まれる、新たな価値や新産業創出によるビジネスの拡大や地域の活性を目標として取り組んでいます。

本プロジェクトから生まれた都市部と東みよし町での連携ビジネス事例の第一弾として、一般社団法人日本ハラール認定推進機構・理事の加藤洋介様と、合同会社法市の干し芋・代表の山川貴久夫様にインタビューをさせていただき、どのような連携ビジネスを実現されているかについてお話を伺いました。

 

【企業概要】

『一般社団法人日本ハラール認定推進機構』

所在地:東京都港区西新橋3-17-7 パークキューブ愛宕山タワー

事業内容:・イスラム文化に関する正しい理解及び慣習についての啓蒙活動

・国内ムスリムへのハラール商品に関する認知啓蒙活動

・イスラム市場への海外進出支援事業

・訪日外国人に関する国内観光地域へのムスリム対応支援事業

・ムスリムタウン構想の立案及びプロジェクトの推進事業

WEBサイト:http://jhcpo.com/

 

『合同会社法市の干し芋』

所在地:徳島県三好郡東みよし町東山字法市139番地

事業内容:・「法市」集落での農作物の栽培

     ・干し芋の製造・販売

WEBサイト:https://hoichi.jp /

(プロジェクトサイト:https://workplus-yto.com/renkei//company/282/

 

-全く業種の異なる2社ですが、どのような連携ビジネスを進めておられるのですか?

(加藤氏)

法市さんの干し芋を都市部で販売しています。インドネシア大使館とアメヤ横丁(通称「アメ横」)にて私たちが運営しているハラールショップで、法市さんの商品を仕入れて展開していっています。

お店の特性上、イスラム圏からの観光客がメインターゲットになりますが、日本国内だけでなく外国からのお客様にも法市さんの素朴な味わいの干し芋は人気で売れ行きも好調です。

 

 

-連携ビジネスが生まれたきっかけや、互いの商品・ノウハウの魅力についてお聞かせください。

(加藤氏)

もともとは東みよしでのビジネス連携創出イベント(※2019年1月18日~1月19日に開催。徳島県・G&Cコンサルティング株式会社主催)で山川さんと知り合いました。

先日のG20のサミットでインドネシアの大統領や高官たちにお土産を渡すという案件が持ち上がり、ギフトセットに加える商品を探していたので、山川さんにお声がけをさせていただきました。

ハラールフード(イスラム教の教えで食べてよいとされている食べ物)として制限があるため添加物が多いものは取り扱いできないので、以前伺った際に食べた干し芋が頭に浮かびました。徳島県 にし阿波地域が世界農業遺産でもあり、また無添加にこだわり作り続けてこられた山川さんの干し芋商品が適切であり日本素材のお土産として相性が良いと瞬時に頭をよぎりました。

 

(山川氏)

法市の芋は平地で作るより寒暖差があり、甘く美味しい芋が作れることが強みです。

ただし、私たちが行っている昔ながらの安心安全な製法では農薬を一切使わないため、枯れたりしやすく管理が難しいということもありますので、常に品質を保っていくための様々な工夫をしています。

 

 

-この連携ビジネスが生まれたことで、互いにメリットとして感じていることを教えてください。

(加藤氏)

山川さんたちが作られる無添加の芋、法市集落の世界遺産ブランドなどに、私たちの少し特殊な付加価値づけ(ハラール嗜好の外国人観光客という販路)が合わさって、新しい取り組みができていると感じています。

法市の干し芋は、シンプルなものを好む外国人の嗜好とマッチしている商品で好評いただいており、ハラールショップに来店される顧客層の拡がりも感じています。ムスリム向けとして用意している静岡の旅館のお土産コーナーでも販売していくつもりでいます。

また、誠心誠意、商品づくりや連携ビジネスに取り組んでいただける山川さんの心意気が何よりも素晴らしいと思っています(笑)

 

(山川氏)

ありがとうございます(笑)

これまでは国内の量販店やインターネット販売で売上を伸ばしていくための営業活動を重視していたが、それに加え今は海外展開も視野に入れ、一つ一つ手作業でありながらもより効率的にたくさん製造していくことや、無添加でありながら賞味期限を延ばすことなどを研究しています。

もともとは国内だけを想定していた販路ですが、いかに国外のお客様にも喜んでいただけるものづくりをしていけるか、ということも意識するようになりました。

 

 

-新しくビジネスを作り上げるということを、互いに東京と徳島という遠隔で進めるうえで何か問題などはありましたか?

(山川氏)

互いの既存事業のため忙しく対応できないところもなくはなかったですが、基本的には特に問題なく進められたと思っています。

インターネットを活用して連絡や相談などもスムーズに進めていくことができたと感じています。

 

-これまでに得られてきたその他の成果や、それを踏まえた今後の展望などについてお聞かせください。

(山川氏)

この度の連携事業で、インドネシア大使館や高官たちにお土産として私たちが製造している干し芋のギフトセットが渡ることになったのですが、それが先方のフェイスブックにも掲載をしていただきました。写真の右側(赤枠部分)が、贈答用の干し芋商品です。

日本ハラール認定推進機構さんは、取り組みを始めるにあたりまずは少量からでも扱っていただけたので徐々にテスト販売も重ねながら様子を見て、生産量の拡大を視野に入れていく計画策定にも取り組みやすかったです。

今後も各国の味の好みに合わせた品種生産や既存にはない切り口からの付加価値の高い干し芋商品の開発などに取り組み、より海外向けの商品化をしていきたいというビジョンもできたので、ぜひこの機会を海外展開への突破口にしたいと思っています。

 

(加藤氏)

私たちのハラールショップとしても、法市さんの干し芋などを取り扱うことによりこれまでに取り込めなかった顧客層やニーズの拡大につながりつつあります。

こだわりを持って本当に良いものを作られていると感じていますし、私たちの団体からの推奨商品として諸外国から評価されるような商品が少しでも多く海外に出ていくことが、「日本とイスラム市場を繋ぎ経済交流のプラットフォーム」としての日本ハラール認定推進機構での活動のプラスになります。

全国各地の道の駅や、有名な高速道路のサービスエリアでも私たちが出品しているお店があるので、そういったチャネルにも拡げていけるよう挑戦していきたいですね。

是非、今後ともお互いに「win-win」となれるような連携や関係づくりを山川さんとは築いていきたいと思っています。